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サイナスリフトについて

2025.11.01

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こんにちは。

赤羽の歯医者「医療法人社団歯友会 赤羽歯科 赤羽診療所」歯科医師 前野です。

今回はサイナスリフトについてお話したいと思います。

サイナスリフトとは

まずサイナスとはなにか

サイナスとは上顎にある鼻の空気の通り道「上顎洞」、すなわち副鼻腔の事です。

重度の歯周病や虫歯の進行により歯を支えていた歯槽骨が吸収されてしまうと、上顎洞の底に十分な骨幅・骨量が少なくなってしまいます。 インプラントを埋め込むためには、骨の厚みをまかなう必要があります。

その為、上顎の側方部分の骨を削り、上顎洞の粘膜を破らないように上顎洞の粘膜を持ち上げ、そのスペースに骨を足して骨を作ります。

その術式がサイナスリフトと呼ばれるものです。

 

サイナスリフトの適応は?

上顎の骨から上顎洞の粘膜までの骨の厚みが6ミリ以下の場合はサイナスリフトが適応となります。

6ミリ以上骨の厚みがある場合はソケットリフトと呼ばれる別の手法で骨を造成します。

他にも骨を足す方法はいろいろありますが、その中でも比較的合併症の発症率が少ない術式の為、安心して安全に受けることが出来ます。

 

インプラントと同時にサイナスリフトを行う場合は、3-6ミリの垂直的な骨の厚みが必要になります。

2-3ミリ以下の場合はサイナスリフトを行い、移植した骨が既存の骨とくっついて生着してから、インプラント埋入手術を行います。

 

サイナスリフトで使用する材料は?

サイナスリフトで空いたスペースに入れる骨の種類には大きく分けて三つあげられます。

一つは患者さんご自身の骨や、ご遺体から採取された骨です。

両方とも人の骨である為、骨を足した後に、既存の骨としっかりとくっついて骨になってくれやすいです。

ご自身の骨を使用するメリットは人工の骨を使用しない為、免疫拒絶反応が出ることがなく、材料費も小さく抑えられますが、自身の骨だけで賄おうとすると、沢山骨を別の場所から削って持ってこなければならない為、侵襲が大きくなります。

その点、他人の骨を使用する場合は、侵襲は少なく、足す量も自由に調整でき、便利ですが、免疫拒絶反応のリスクがあり、倫理的にも懸念される方が多いため、当院では取り扱っておりません。

日本では認可されていない為、適応外使用となり、患者さんとの同意を得て使用する形になります。

 

二つ目は、早期に吸収して骨に置き換わる材料です。

人工の骨の中には、4-6ヶ月で吸収して骨に置換する、ボナークやリフィットと呼ばれる材料があります。

豚の皮膚由来のコラーゲンとリン酸オクタカルシウムやハイドロキシアパタイトなどで出来ており、人工の骨の中では比較的早く吸収されて骨に置換する為、サイナスリフトではよく使用されています。

吸収しやすい材料の為、もし上顎洞粘膜が破れて、材料が上顎洞内に漏れ出てしまったとしても吸収されて無くなる為、リスクが低いです。

ただ、厚生省から認可が下りているのはボナークで、リフィットを使用する場合は適応外使用となります。

 

3つ目は、吸収の遅い人工材料です。

バイオスやサイトランス、β‐TCPなどがあります。

吸収が遅く骨に置き換わるのに1年以上かかることが多いため、単味でサイナスリフトに使用されることは少ないですが、他の材料と混ぜて使用されることが多いです。

吸収が遅い為、上顎洞粘膜が破れてしまった場合、上顎洞内に残ってしまい、除去手術が必要になってしまうリスクもある為、使う材料は上顎洞内の形態や粘膜の状態を見て決めることになります。

厚生省からインプラントの為の骨造成で認可が下りているのはサイトランスになります。

 

まとめますと、いろいろな材料がサイナスリフトで使用されており、どれも有用な材料ではありますが、症例によって適材適所があり、どれでもいいというわけではありません。

何を使って手術を行うかは基本的には担当医が決める形にはなりますが、使う材料によっても治療期間や料金が変わることもある為、もし疑問等がありましたら担当医に聞いてみてください。

骨がなくてインプラントできないと言われた

ある程度の骨がないと、骨でインプラントは支持されるため、インプラント治療は行えません。

ですが、骨がないと他院で言われたとしてもできる場合があります。

骨を造成するためにサイナスリフトやソケットリフト、またその他の骨造成手術はメジャーな術式ではありますが全ての歯医者さんが出来るものではありません。

リスクもありますし、より専門的な知識や技術が必要な為、近年ではやっている歯医者さんも増えてきてはいますが、やってない歯医者さんも多いのが現状です。

 

赤羽歯科では、サイナスリフトやソケットリフトなどの骨造成、インプラント治療は歯科医師複数人でチームを組んで行っており、出来るだけリスクを減らし、失敗のないように取り組んでおります。

もし過去にインプラントしたくてもダメと言われた、他院で厳しいと言われたなど、治療の内容でお困りの方は、赤羽の歯医者 医療法人社団 歯友会 赤羽歯科 赤羽診療所にご相談下さい。

 

赤羽歯科赤羽診療所は、JR赤羽駅 徒歩6分 南北線志茂駅 徒歩7分
地域に密着した優しい診療を行っています。

監修者情報

院長・歯科医師

中村

恭隆

平成10年4月 医療法人社団 歯友会 赤羽歯科 赤羽診療所 勤務
平成28年6月 医療法人社団 歯友会 赤羽歯科 赤羽診療所 院長就任

赤羽近隣にお住いの方々に愛され、頼っていただける「地元の歯医者」を目指していきたいと思います。 患者さん一人一人の不安や悩みに寄り添い、丁寧なコミュニケーションを心がけていますので、お口のトラブルやお悩みごとがありましたら、遠慮なくご相談ください。